今日は仕事で、山奥にある水力発電設備の点検に行った。
平野から山に向けて車で一時間半行ったところで、急な斜面の山腹を15分ほど歩き、吊橋の先に水力発電のための取水設備がある。
こんな車も近寄れない場所に、コンクリートの水槽があり、水門があり、人が入れるほどの水路トンネルがある。
水路トンネルの長さは、数キロあり発電所に繋がっている。
昭和30年代に造られた施設に、どうやって計画して工事をしたのか、想像がつかない。
発電所には、工事で殉職された石碑がある。当時、数十名の方が亡くなれられていて、今じゃこんな工事はできないだろう。
今や施設は60年も経ち、老朽化して修理も必要になってきているが、ある人は、もうそんなお金のかかる施設は廃止しようと言う。
でも私は、先人方の電気に懸けた希望と血のにじむ苦労を考えると、そう簡単にはできない気がしている。
水路に土砂がたまれば掃除をし、穴が開けば塞ぐ。そんなふうに使い続けたい。